スポンサーサイト

--.--.-- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【編集】 |  --:-- |  スポンサー広告  | Top↑

自分を“生け贄”にする癖

2007.06.03 (Sun)
 親の飲酒によって家族の誰かが困っていればそれは「問題飲酒者」。
 私の父親は今から思うとまさにこれだった。このような家族の中で育つ子どもは三重の苦しみを味わって育つのだそうだ。

依存症
信田 さよ子
4166601083

 第三の苦しみは、このような父と母が日常繰り広げるドラマの目撃者としての苦しみである。夫婦のいさかいは子どもにとって世界が割れる恐怖をもたらす。直接自分に向かう暴力は逃げたり避けたりすればいい。殴られた痛みも感じられる。しかし暴力の目撃者は暴力に対して無力なまま凍りついたように見ているしかない。目撃する子どもも虐待を受けているという主張がなされるのも、このような徹底した無力感にさらされる残酷さへの注目であろう。そしてアルコール家族の特色のひとつに、血を流すような夫婦のいさかいが翌日になると何事もなかったかのようにふたをされていくという処理の仕方がある。あのような争いがなぜ起き、どのように和解し、そのことで不安に震えた自分にどのような気遣いがされたかがまったく不明のままに放置される。意味不明の苦しみほど過酷なものはない。子どもはそのなかで苦しみに最終的意味づけをする。「ぼくが(私が)悪い子だから」と。このような子どもなりの最終的意味づけは、悪い子の自分がいるから親が苦しむ、こんな自分はこの世にいないほうがいいという根深い自己否定感に繋がっていく。



 この話も自分のことを聞かされているようだ。
 確かに、自分を取り巻く環境に対する「徹底した無力感」にさいなまれ続けて来た。自分にとって嫌な状況に陥っても、それを打開することはできないという、妙な感覚をいつも持っていた。嫌なことになってもそれを甘受するしかない。だから、何に対しても新しい環境に対しては、底知れぬ恐怖感を抱いた。
 そんなことしていると、いつの間にか自分が生け贄のような気がしてくる。悪い状況に陥ったら、それを切り抜けようと努力するのではなく、その状況に身をあえて置いて嫌な気分を味わうことが自分の使命のような気がしてくる。「マゾヒズム」に似てるけどちょっと違う。大昔の農民が、人間やら動物を捧げて、神に豊作を願う呪詛的な行動や感覚に近い。「ぼくが(私が)悪い子だから」と、身を捧げることで何か状況が好転すると思い込んでいるのだ。鬱病患者の典型的な思考法だと思う。
 社会人になってから、この考えは甘いことを思い知った。会社や上司は、特に民間企業においては、どんなに従業員である私をいじめたとしても、私が苦しむことを望んでいるわけではない。彼らが望んでいるのは「結果」、つまり“金”だ。どんなに私が身を捧げ苦しんでも、結果を出さない限り私を許してはくれない。そして私にとって衝撃的だったのは、売り上げ、金さえ稼げば、楽していいよ、ということを示唆されたことだった。この気づきは世の中の厳しさを知ると同時に、ある種の開放感をもたらした。私はそれまで「私が苦しんでいる姿を見せ付ければ、大人たちは私を許してくれる」と思っていて、それに基づいた行動をしていたのだ。しかし、そんな必要はないし、無意味だったのだ。
 「アルコール家族の特色のひとつに、血を流すような夫婦のいさかいが翌日になると何事もなかったかのようにふたをされていくという処理の仕方」も問題だ。アルコール依存者が飲んだくれて荒れたり、夫婦喧嘩を毎日のように繰り返すのには、家庭やその人間が根本的な問題を抱え、放置しているからだ。飲んだ夜は激しいいがみ合いをするが、翌朝にはけろっとしている。問題が解決された様相を呈する。しかし、問題は完全に未処理で放置されたままなのだ。喧嘩したいがために、問題を残していると思えるくらいだ。だから当然、また夜になると喧嘩が始まる。
 そして、怒りや問題への耐性が自分の中にできているのを感じた。「あれほど嫌な経験を毎日した自分だから、世の中でつらい目にあっても自分はがまんできる。自分は強いのだ」とこの経験を肯定的に捉えたりした。「この経験を生かし、社会に出ては我慢強さを発揮しよう」と。しかし、大事なのは我慢することではなく、何はともあれ原因となっている問題を解決することだ。我慢は二義的なものでしかない。
 ・・・などなど、「父と母が日常繰り広げるドラマの目撃者としての苦しみ」の後遺症は深く、長く長く続いたのでした。そして、未だにこれを乗り越えようともがいているのです。
スポンサーサイト
【編集】 |  10:53 |  過去を分析する─アダルトチルドレン  | トラックバック(0) | コメント(0) | Top↑

コメント

コメントを投稿する
URL
COMMENT
PASS  編集・削除に必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 

トラックバック

この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。